英語コミュニケーション能力検定;若者バージョン(ICEE Youth)
ICEEという英語検定を聞いたことありますか?
英語のコミュニケーション能力を測る真の実技検定!の事です。
先日、大阪でこのICEEのYouth、つまり英語のコミュニケーション能力を測る真の実技検定の若者の大会がありました。
11月17日(日)大阪で 学生英語コミュニケーション能力検定ICEE Youth Osaka という英語の大会があり、以前から興味のあったわたくしは、見学に行ってまいりました。
まず、この大会をご存知の方は少ないと思います。
まだ今年で開催2回目です。
しかし、、、これぞまさに英語祭り!ともいえる素晴らしい大会でしたので、一人でも多くの皆様に知っていただきたく、シェアします。
皆様の周りの英語学習を頑張っている若者にぜひぜひシェアしていただけると、来年の大会がさらに盛り上がるのではと思います。
英語コミュニケーション能力検定(ICEE):ICEEとは?
ICEEとは? 英語のコミュニケーション能力を測る真の実技検定!
スローガンは「世界へ飛び出せ!日本のユース達!」
ICEE YouthとはInter-Cultural English Exchange Youthの略で英語コミュニケーション能力をネイティブジャッジが測る検定試験。
他の英検やTOEICを初めとする英語検定試験とは全く一線を画した検定試験です。
検定の合否を決めるのではなく、午前の予選を勝ち抜いた成績上位者が午後は勝ち残りをかけたトーナメント方式で優勝・準優勝者が選ばれるユニークな大会です。
ペーパーテストいっさいなし!すべて実技試験ですよ。
こんな大会見たことないです。
松本道弘先生改め松本空龍先生が創始者であるICEEの若者版といったこの大会が2018年度より大阪で産声を上げました。
本家本元ICEEについて知りたい人はこちら⇒http://紘道館.com/icee/
英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth): まさに英語のオリンピック!
知られざるそのICEE Youthの内容は・・・まさに英語のオリンピック!
参加者資格は25歳までという年齢制限のみ。
英語が母語でも参加できるみたいです。
今回は総勢21名の若者が北は青森から南は福岡から参加。
午前10時の開会式は皆さん緊張している様子でしたが、グループごとに自己紹介を終えるころには、これから始まる長い一日を共に協力しながら戦う同志として笑顔が見えるようになっていました。
審査委員長でネイティブジャッジのBrian先生、ICEE創始者の松本空龍先生、
特別審査員の安河内哲也先生(あの有名な東進ハイスクールの先生です)から激励を受けていよいよ決戦は始まります。
まずは第1セクションから第5セクションまでは参加者とジャッジのみの非公開で行われます。
参加者はすべてのセクションに参加しなければなりません。
ですので見学は午後までお預けでしたが、会場の中からは真剣な英語の声が響いていました。
英語コミュニケーション能力検定(ICEE Youth): <非公開部門>:第1セクションから第5セクションまで
第1セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第1セクションから第5セクションまで、非公開ですが、どんな内容なのか?午前の内容をお届けしましょう!
第1セクション:他己紹介 Introducing Others
カードを引きます。カードには①歴史上の人物もしくは著名な人物
②テレビでよく見る誰もが知っている人物の2名が記載されています。
そのうちの1名を選び、1分間で準備して1分間で紹介するテスト。
時間内にまとめる力と適切な描写ができる表現力が試されます。
第2セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第2セクション:即興スピーチ Extemporaneous Speech
封筒を開けて書かれている複数のテーマから1つを選び、1分間準備して1分間でスピーチします。
テーマにあった内容をコンパクトに、かつ表現力豊かにスピーチができるか試されるセクションです。
第3セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第3セクション:一問一答Critical Response
1分間の間にジャッジの出す6問の質問に次々と答える。短く単語かワンセンテンスで答えます。
次々と出される質問に答えるのでとっさの判断力・冷静さ・ユーモアや発想力が試されるセクションです。
第4セクション:英語コミュニケーション能力検定(ICEE Youth)
第4セクション:ホワイビコーズ Why-Because
受験者は2名1組になります。一人が与えられた質問から始め、1分間自由に質問し、もう一人はその質問に答えます。
質問者はできるだけWhy?形式で質問し、回答者はBecauseで答えます。
次の1分間は質問者と回答者を交替して、同様に質問して答えます。
質問者・回答者の役割に徹して、質問者は関連する質問で議論を展開できるかが試されます。回答者は質問に対して柔軟な対応を求められます。
第5セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第5セクション;ディスカッション Discussion
受験者は指示されたグループで輪になって座り、与えられたトピックに関して10分間自由に発言、自分の意見を伝えます。
トピックに対して自分の意見をしっかりと論理的に一貫性をもって伝えられるか、また他人の意見にしっかりと耳を傾け、議論を展開していけるか、まさに
ディスカッション能力が試されます。
英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth): <公開部門>:第6セクションから第8セクションまで
午前のセクションは非公開でしたが、第6セクションの午後から公開されました。
午後は、先生方、保護者の方など見学者がまわりを取り囲む中、始まります。
第6セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第6セクション:即興ディベート Impromptu Debate
参加者は8名ずつのグループに分かれて、決められたテーマについて
肯定側:否定側を4名:4名でディベートを行います。15分間の準備時間に各チーム ①立論 (3分) ②尋問 (4分) ③反駁 (3分) ④最終弁論 (3分)の役割を決め、勝利に導くための主な立論を話し合います。
ディベートの基本に沿って、肯定否定の主張を崩さず議論できるか、聴衆やジャッジに対して説得力のあるプレゼンテーションができるか、制限時間内に柔軟かつ迅速な対応ができるか、チームワークが発揮されているかなどの観点でジャッジが各受験者を採点します。
さて、今回のテーマは、、、、
“The 2020 Olympic marathon should be held in Tokyo.”
「2020年オリンピックのマラソンは東京で開催されるべきである」
まさに旬のテーマですね! ワクワクします!
わたくしが見学したテーブルでは
肯定側は
①これまでの準備にかかった費用、時間、そして交通手段の問題で東京がふさわしい。
②海外からの観覧者は東京に来たいのであって他の都市に行きたいわけではない。
③ランナーも東京の街をたくさんの観覧者の中で走りたいはず
という3本柱で立論を開始しました。
否定側は
①交通手段については他の都市に変わってもインターネットがあるので問題ない。
②北海道札幌も観光地で土産物も多く、海外からの観覧者も楽しめる。千歳空港も国際空港であるので問題ない
③北海道という日本独自の健康面を考えれば熱中症になるリスクの高い東京を避けるべきだ。
という反駁を展開しました。これ、日本語でも大変ですよね!
でも各スピーカーが制限時間の中で、言葉に詰まったり、何度も同じことを繰り返して時間を無駄にしてしまったりしながらも、一生懸命英語を絞り出して、相手やジャッジに自分の主張をプレゼンしている姿を見て、見学者も息を殺して、手に汗握りながらの時間を共有できました。
中学生も参加していましたよ。
英語でここに参加する勇気!素晴らしいですね。
さて第6セクションが終わったところで、8名の準決勝進出者(ファイナリスト)がジャッジより発表されました。
おめでとうございます!そして勝ち残れなかったけど、半日以上もかけて、5種目すべてに参加した受験者の皆さんもお疲れさまでした。
受験者は力を尽くした顔、悔しさをにじませる顔、などさまざまでした。
会場は高揚感で満ち溢れていました。
さあ、息つく間もなくいよいよ優勝目指してファイナリスト達は次のセクションの準備にとりかかります。
第7セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第7セクション:交渉 Negotiation
参加者は与えられたシチュエーションの中で、目的である交渉を果たすことができるかを見るセクション。
交渉力、状況判断力、ユーモア、言葉の緩急などを審査されます。
NegotiationのTopicは、School Homework。
参加者に与えられたシチュエーションは、
(1)学校からの宿題をゼロにしたい学生
(2)その生徒をサポートする先生
VS
(3)学校からの宿題を出したい先生
(4)学校からの宿題を求める保護者
この4名でお互いの主張もしながら、交渉して、問題を解決する妥協点を見つけていくというものでした。
相手の立場を尊重しながら、交渉した結果、ドリルのような大量の宿題は減らし、作文や調べ学習のような生徒の発信する力を身につけるような宿題にする。宿題そのものをなくすことはできないが、その内容を変えるというところで無事に交渉成立となりました。
ここで、第8セクション進出にふさわしい4名が選出され、いよいよ最後の大舞インタビューに進みます。
第8セクション:英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth)
第8セクション:インタビュー Interview
勝ち残った参加者は、ジャッジの前でゲストからの質問に的確かつ発展的に答えていきます。
ゲストからの質問は「今、日本が抱えている将来的に最も懸念される問題は何ですか?」でした。
4人のうち、2人が「高齢者問題」を取り上げ、2人が「災害の多い日本」を取り上げました。
さらに重ねられる質問に的確に答えていく姿に日本の将来はこの若者たちが背負っていくんだ!という思いが伝わって、見学者一同胸が熱くなりました。
英語コミュニケーション能力検定若者版(ICEE Youth):優勝者は?
優勝者は、日本人とニュージーランド人の両親を持ち、母国語は日本語である高校生の青年でした。
学校はフランス語ですべて授業を行うインターナショナルスクールに通っている。
18歳にして、日本語・英語・フランス語を操る素晴らしい彼でした。
彼の優勝スピーチで「日本にこんなに英語が上手な若者がたくさんいることを知ることができた。」と言ってたことが印象的でした。
この大会は、いわゆる帰国子女、優勝者のように両親のいずれかがネイティブスピーカーである若者も参加できます。
つまり日本で育ち、母国語が日本語で、第2外国語として英語を学んでいる純ジャパニーズにとっては、少し敷居が高いと感じるかもしれません。
し・か・し・
そこにこの大会の意義があると感じます。
英語がペラペラに話せることだけが目標の大会ではありません。
「自分の言葉で 自分の考えを 英語で 即興で伝える」ことこそが、この大会の目的なのです!
だから参加者に笑顔があふれて、また伝えられなかった悔し涙もあふれていたのだと思います。
日本の英語教育は長年にわたり、受動的な文を読む、書くに多くの教育の機会を使ってきてしまいました。
そのため、英語を発信する能動的な喜びを感じることができない独自の英語教育が形成され、世界から大きく後退することになってしまっています。
この大会に参加した純ジャパニーズの高校生たちが、大会後の懇親会で、決して下を向かず、「楽しかった」「また来年チャレンジしたい」「今日出会えた仲間に感謝」と口々に!
前向きな意見を述べているのを聞いて、この大会を知らない多くの若者にこの大会にチャレンジしてほしいと思いました。
大人の大会は、もうすでに30回を超えて、毎年東京で行われています。
特別審査員の東進ハイスクールの安河内先生も毎年参加され、過去に優勝経験もお持ちです。
彼もまた、純ジャパニーズです。
日本の若者よ!世界でコミュニケーションをとれる人になってほしい!たくさん勉強した英語を、使って、様々な問題解決能力をつけていってほしいと切に願います。
来年もさらに多くの若者にこの大会の楽しさを知り、参加してほしいと代表の林信子先生はおっしゃっています。
by Laura